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副院長の小屋

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藤本研修会 第3回歯周外科

6月の強烈な勉強スケジュールも、ようやくこの土日で最終日でした^^

最終日の6/30、7/1は、歯周病治療の勉強に通っている『藤本研修会ペリオコース』でした。

第三回目となる今回は、歯周治療の外科的アプローチについて。

多くの人にとって『歯周病の治療でオペをする』こと自体知らないと思いますので、ザックリと説明します。

歯周病という病気は、口の中にすむ空気が嫌いな菌が、空気のこない場所を求めてどんどん歯茎の中に侵入、歯石というバリケード兼住み心地のよい住居を作って居座り、町を広げるために骨を壊してさらに奥に進み、最終的には歯を支える骨が無くなってしまい歯が抜けてしまう。。

この病気の恐いところは、歯が揺れだすまで本人に自覚症状が出ない事です;

大抵、「歯が揺れだした」といってこられる頃には、相当歯周病が進んだ状態の事が多いです。

さて、では治療はどうするのか

まず残念ながらどうやっても残せない歯は、もう抜くしかありません。

残しておく事で、逆に周りの歯の骨まで巻き込んでしまい、不利益にしかなりません。

次に、全体のお掃除(歯石の除去)です歯茎の際から始めていき、何度かにわけ歯茎の内側まで掃除していきます。

ここでの掃除はオペではなく、掃除のプロである衛生士による専門器具を使ったものです。

掃除が終わったら、どの程度改善したのか、ここでもう一度検査をします。

改善が見られる部位は、衛生士のお掃除で歯石が除去され、歯周病の進行が食い止められます。

しかし、ここでまだ悪い部分がのこってしまう事があります。

それは、衛生士が悪い訳ではありません。

掃除は歯茎の際から器具を入れて手探りで行われますので、深い歯周病にはどうしても器具が届かないのです。

ではその部分はどうするのか?ここで、患者さんには選択肢を選んでもらわないと行けません。

すなわち、

「放っておいて、定期的にメンテナンスで様子を見る」

「歯茎を開いて、悪い部分の歯石を除去する」

という選択です。

「放っておく」を選んだ場合は、メンテナンスを怠けるとたちまち歯周病は進行します。

菌にとって住み良い住居がのこったままな訳ですから。。

メンテナンスをしっかり受けても、悪化する可能性もあります。

「オペする」を選んだ場合、オペにより根の表面があらわになるため、掃除くらべると格段に歯石を除去できます。

その上、歯の周りの骨の状況を整えて、掃除がしやすい形態にする事が出来ます。

そうすることで歯周病の進行を抑制し、患者さん個人でのケアもしやすい状況にもっていくのが、歯周外科の役割です。

残念なお知らせがあり、

「歯周病」という病気は、完治する事はありません。

相手が菌であり、その菌に対する免疫が低い患者さんである以上、「歯周病」は完全除去は不可能であり、一生治る事はありません。

では、いままで説明してきた「歯周病治療」とはなんなのか?

講師の藤本先生はこうおっしゃいます、

『今の状況が東京、歯が全て無くなるのが大阪だとすると、

飛行機で大阪まで行くのか。ローカル各駅で大阪まで行くのか。

当然、ローカル各駅で行く方がいいに決まっている。

それを案内するのが歯周病治療です』

なるほど、大変的を得ていますね^^

これからますます勉強し、腕を磨いて、自分もいつかローカル各駅の運転手になろうと心に誓った、良い勉強会でした。