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小矯正(部分矯正)

小矯正(部分矯正)について

歯並びを整える『矯正治療』は、基本的にはお□の中全体の歯に装置を取り付けて、ゆっくりと1~2年くらいかけて歯を動かして治療をします。
『小矯正治療』は、一部の歯並びや歯の崩壊による悪条件を、最小限の装置で、可能な限り速やかに数ヶ月かけて改善に導くものです。
「前歯のすきっ歯だけ気になる」「1本だけ歯が斜めを向いている」といったお悩みや、「歯がほとんど腐って、抜かないとダメと言われた」などの問題を解決できる可能性のある、かゆい所に手が届く小さくても頼れる治療法なのです。

小矯正で行う治療法

挺出ゴム法(エクストルージョン法)

『歯の頭だけでなく、歯ぐきの下の方まで虫歯が進行していて、被せ物の土台として使えない。あっても意味が無いから、抜いてしまいましょう』
虫歯が進行した段階での治療では、よくある話です。
実際に歯ぐきより下まで虫歯が進行していたり、腐っている歯に被せ物の土台を作る事は困難ですし、無理しても歯ぐきが腫れたり、残った根が折れたりしてしまいます。

では、どうすれば使えるでしょう?
答えは、「引っ張り出せば良い」のです。
歯の綺麗な部分を歯ぐきより上に引っ張り出せれば、しっかりとした土台を作る事が出来ます。
頭の崩壊した歯にフックをつけ、上にワイヤーを渡し、ゴムを引っ掛けて約2~ 3ヶ月程。
抜くはずだった歯を残せる可能性が高まるのです。

セパレーティングゴム法

歯というのは実は日々少しづつ動いていて、隣り合う歯や咬み合わせの上下の歯の干渉で正常な位置を保っています。虫歯の放置が原因だったり、抜けた歯を放置したことが原因だったりで、歯と歯の根っこ同士が近づきすぎることがあります。
そういった歯は綺麗に被せ物や詰め物をする事が出来ません。無理に詰めると、物がつまりやすかったり、掃除がしにくくなったりして、結局また悪くなってしまいます。

これを改善するためには、『歯と歯の間を広げる』必要があります。
セパレーテイングゴムという小さい輪ゴム(モジュール)を伸ばして歯と歯の間にねじ込み、輪ゴムが縮む力を利用して、2週間程で歯と歯の間を広げます。

TEK法、簡易歯牙移動装置、オープンコイル法

歯を抜いたまま放っておくと、抜いた歯の奥側にある歯が前に倒れてきます。
歯はお互いに支え合って位置を保っているので、相手がいなくなると、次の相手を捜して動いてしまうのです。奥歯が前に傾くと、その間に歯を作るスペースが失われ、無理にブリッジで治すと、歯を削る量が多くなりますし、土台に無理な力が掛かりやすく、掃除もしにくく長持ちしません。
そこで、「倒れた歯を起き上がらせる」必要があります。
傾いた歯を真っ直ぐ起こすことを「整直」といいます。
程度や状況により装置は変わりますが、約6ヶ月程度で起き上がらせる事が出来ます。

パワーチェーン法

前歯と前歯の間があいている、すきっ歯と呼ばれる状態は見た目に難があります。
もしこれを被せ物やダイレクトボンディングだけで治そうとすると、あまりにも大きな見た目の歯になってしまいます。<図1>
綺麗に治そうと思うと、『すきっ歯になっている歯と歯を近づける』ことが必要です。<図2>

パワーチェーン法は歯の表面にレールとなるワイヤーを渡し、ゴムをかけて歯を引っ張ります。
程度によりますが約4~5ヶ月ほどで歯が寄り、すきっ歯の状態が改善します。

牽引ゴム法

一本だけ歯列から外れてしまっている歯や、ねじれて生えてしまっている歯は、掃除がしにくいため、虫歯や歯周病になってしまった場合に治療を行っても、再び虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
解決の方法としては『歯列に戻してあげる』『ねじれを解いてあげる』ことが必要です。

矯正インプラントアンカー

従来の矯正治療では、動かしたい歯とは別の歯を固定源にしているため、注意しないと動かしたくない歯が動き出したり、力加減の問題で時間がかかってしまったりしました。
アンカーインプラントと呼ばれる器具を一時的に顎骨の表面に埋入し、それを固定源に専用のインプラントを使用して歯を動かしていく、インプラントアンカー矯正という治療方法が普及しはじめています。特に、『伸びてきた歯を沈めたいとき』に有効です。
歯を沈めるには他の矯正よりずっと力が必要なので、他の歯を固定源にすると逆にそっちが伸びてきてしまう事がありますが、インプラントは骨とガッチリ固定されているので、その心配がありません。
インプラントアンカーはごく小さいものなので、手術自体は大して痛みがありません。

小矯正で対応できない場合は矯正専門医をご紹介いたします

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小矯正治療に対する想い

小矯正とはその名の通り、動かす歯を1~数本に限定して行う小規模な矯正治療です。当院ではインプラントやブリッジなどの補綴治療で、歯並びの影響により条件が厳しくなっているような状況の改善に小矯正を取り入れています。
例えばブリッジを行うとき、土台となる歯が倒れていると、歯を必要以上に削るか、場合によっては神経を取り除かなければなりません。小矯正で歯並びを正し土台の歯同士を平行にすれば、必要以上のダメージを加えることなく安定したブリッジをかけることができます。

このように、患者さんの一人ひとりの状態・ご希望に応じて、ピンポイントに問題を改善できるのが小矯正のメリットです。もちろんすべての治療に有効ではありません。それでも、短期間かつ低コストで治療でき、補綴治療を行う前の位置や傾きなど、歯並びの一部を自然に修正するには大変有効な方法であるといえます。

小矯正治療の代表的な症例

挺出ゴム法による歯の回復

症状 銀歯の下で土台が大きな虫歯になり、歯茎より下まで腐ってしまったために土台を作ることが困難な状況となっていた。
治療法 痛んだ歯の根を引っ張り出して、使える健康な歯質を確保する小矯正『挺出ゴム法』を用いて、保存困難な状況から回復させた
費用 挺出ゴム法のみで~4万円程。数回のゴム交換に毎回千円ほどいただいております。
通院回数 3~4回
備考

治療は、最初に挺出ゴムの装置を取り付け、そこから数回のゴム交換で歯を引き上げていきます。だいたい一度のゴム交換で1.5mm程度引き上げられます。
目的の位置まで引き上げられたら矯正はそこで終了となりますが、歯を引き上げると周囲の歯茎も一緒について上がってきてしまいますので、余分な歯茎を取り除く処置を行うことになります。歯茎を取り除く処置の傷が治り次第、被せ物治療に移ることになります。
治療後に懸念されることとして、根を引き上げる処置であるため、結果的に根は短くなるため歯の動揺度は増す傾向にありますが、使用に問題はありません。